職人から抜け出したい男性経営者のマネジメント術
- 2023.03.11
- スタッフマネジメントと求人
- マネジメント, 美容室経営, 美容師求人
スタッフを雇用しながらメニュー改善や次回予約に取り組むなどの経営改善を行う際に重要なのが、既存スタッフとの関係性です。
経験上、新しい体制に対して前向きなスタッフもいれば、後ろ向きなスタッフもいます。
後ろ向きというより、大きな変化を望まないという表現が適切かもしれません。
特に現実主義である女性スタッフの場合は、安定感があるのと同時に、未来思考の男性経営者の意向に対して理解が難しい場合があります。
逆に、理解できる方は経営者と同じ思考の持ち主なので、経営や個人事業、フリーランスに向いている可能性もあります。
雇用を望むスタッフさんだからこそ、変化を望まない方が多いという解釈をしています。
この辺りに関しては、もちろん男女問わず性格やその方が持つ背景によって決まる要素です。
スタッフとの温度差と対策
例えば、経営改善の一環として評価制度を変えるとした場合、これまでよりも客単価や売上が上がり、給与還元率も上がる設定に対して
「今より給与が上がるよ!」
と、経営者が意気揚々と伝えても、イメージしていたリアクションが得られないケースがあります。
この場合、スタッフによっては「そこまで望んでいない」という事が考えられます。
職人の世界では、後ろ向きなスタッフを引き上げるのがタスクになるかと思います。
・やる気にさせる
・モチベーションを上げる
などですね。
個人的な意見としては、上記の施策は労力の割に効果が出にくいと感じます。
結果、「そのままで良いスタッフはそのままでOK」としています。
もちろん、新しく雇用するスタッフは新しい評価制度になりますが、実行するサロンワークも新しい内容(メニュー、オペレーション)です。
①既存のスタッフが新しい評価制度を望む場合は新しいスタッフと同じ内容に取り組む
②望まない場合は、これまで通りでもOK
といった具合ですね。
もちろん、前提としてスタッフの生活が良くなり、その先に会社に利益が残る設定が必要です。
スタッフへの説明
一例として、
・今より給与が増える体制
・今より時間が自由になる体制
・給与が増えて時間が自由になる体制
など、評価制度を変えるには内部の構造を変える必要があります。
同時に、スタッフさんにも新しい内容に取り組んで頂く必要も出てきます。
変化を望まないスタッフさんにとっては今の日常(サロンワーク)のまま、給与も時間も増えるのが理想的です。
どちらかと言えば、日常(サロンワーク)を大きく変える事に対して抵抗(不安)がある方が多いという印象です。
しかし、”美容室経営”である以上は、構造の説明が必要になります。
この辺りは、オーナーさんとスタッフさんの価値観の違いが大きく反映されますので、スタッフさんとの距離感が重要になり、オーナーさんが現場に出ている場合は特に注意が必要です。
スタッフとの距離感と原則
雇用型のサロンでは、女性美容師さんを雇用している、もしくは、雇用したい方が多いかと思います。
私の立場は”男性オーナー”ですが、同じ空間でサロンワークを行う対女性スタッフのマネジメントに関しては様々な改善を行なってきました。
経験上、私の中で出た3大原則は
・経営者=敵に近い立場だとわきまえる
・経営者は言った事を守るのが基本
・言った、言わない(グレー)を作らない
の3つです。
例えば、スタッフの身の上を案じて自分なりに優しい言葉をかけたとしても「何か裏がある」と取られるのケースもあります。
これは、どちらが悪いという事ではなく、経営者と従業員という対岸の立場上の問題です。
女性同士であれば、女性特有のコミュニケーションで言葉の掛け合いも有効かもしれません。
もしくは、経営者ではなく、同じ立場の職場の同僚であれば言葉のコミュニケーションが必要です。
しかし、目指す方向が「スタッフに現場を任せる経営」だとすれば自分がいなくてもOKな状況が必要です。
ただし、スタッフの立場では「努力を認めてほしい」という心理もあります。
これは、人として当然ですよね。
結果「余計なことは言わなくて良いけど必要な時には認めてほしい」
という形で私自身は捉えています。
なので、当然放置し過ぎはNGです。
スタッフとのコミュニケーション
集客と求人は似ていると言われる事があります。
私自身も、これは同感で
・魅力を言語化→露出が必要
・価値観の合う方はリピートする(辞めない)
といった共通点があります。
そして、美容師と経営者の最大の違いは”マネジメント”にあると思っています。
自分が数字を上げるのではなくスタッフが数字を上げた先に自分が現場を減らすステージがやってきます。
前述の様に、特に女性スタッフの場合は
「余計なことは言わなくて良いけど必要な時には認めてほしい」
という心理があると感じています。
そして、もう一つ「言葉が足りなかった」と反省するシーンが多々あります。
(これは私自身のケースかも知れません)
結論ばかり伝える男性脳と女性脳の違いは、多少なりとも影響する可能性があります。
・余計な事は言わなくて良い
・言葉が足りない
一見、矛盾する両者ですが、これを解決する為に取り組んでいるのが「テキストで伝える」という事です。
コミュニケーションの一例
私の店舗場合、簡単な指示や日報などはLINE、接客に関する内容や重要事項はPDF資料にまとめてお伝えしています。
特にLINEのコミュニケーションで気を付けているのは「感情を込めない」という事です。
細かい点としては、
連絡事項、報告は【タイトル】で始める
「よろしくお願いいたします」「ありがとうございます!」など、丁寧な言葉を使う
注意する際は
「〇〇して頂けると助かります」「お願いできますでしょうか?」などの言葉をチョイス
自分から絵文字やスタンプを使わない
文章を作成してすぐ送らない
などに気をつけています。
特に女性スタッフの場合は機転を効かせてくれるシーンが多々あります。
男性経営者の立場では
内容問わず行動を認める
↓
注意点があれば、その後にお伝えする
という流れで文章を作ると比較的上手くいきます。
スタッフと対面コミュニケーションを図ろうとした際、スタッフから出た言葉に少しイラっとした経験もあるかと思います。
目的は、スタッフの上に立つ事ではなくスタッフが数字を上げ、円滑に業績が上がる事です。
一つの考え方として参考にしてみて下さい。
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