顧客ゼロのUターン開業から2年半で単価8000円→14000円の過程
小さな個人美容室で利益を残していく事を考えると、客単価(メニュー価格)は大きなカギとなります。
私の場合、顧客のいない状態での新規オープンでしたので、客単価は高い方が良いと思いながらも、開業当初の価格設定はこのような形でした。
これは融資の際に提出した書類ですが、それまでに働いていた美容室の価格設定が根拠になっています。
この価格でオープンした当初は客単価8000円でしたが、現在は13000円~15000円になっています。
客単価が上がったのは、短い期間でメニューやサービスの見直しを行った結果です。
メニュー価格を変えるのと同時に、集客方法も変化しています。
開業から3年間で客単価を上げてきた過程としては大きく分けて3つの時期があります。
① 料金表が無い状態で営業(オープン1年目、客数ゼロからテスト的にスタート)
② 自社ホームページ集客への移行期(2年目、スタッフ雇用に向けた時間単価の見直し時期)
③ 自社ホームページ&リスティング(優良顧客に絞った集客)
実は、融資用に料金表は作成したものの、最初の半年間は正規の料金表が無い状態で営業をしていました。
オープン時の集客はホットペッパーがメインでしたが、ホットペッパーにも単品メニューを載せずにクーポンのみで集客する形を取りました。
クーポンであれば違和感なく価格を変える事ができると思ったからですね。
また、ホットペッパーを使ったのは、エリア内の見込み客とエリア内で働く美容師に向けて認知度を上げていく目的でポータルサイトの強みを利用する目的でした。
とはいえ、金額を安くして集客するのではなく、当時の通常料金(今と比較すると安いですが・・・)を組み合わせ、ヘアケア特化のサロンに通うベネフィットを文章化しました。
その結果、セットメニューのクーポンから月に30名〜60名の予約がありました。
その後3回に渡ってクーポンの価格を変え、オープンから1年経つ頃には客数を伸ばしながら単価も10000円まで上げる事ができました。
自社ホームページ集客への移行期(2年目)
オープンから4ヶ月目に1人営業で黒字化させる事ができましたが、スタッフ雇用を視野に入れ、本格的にメニューの改善を行いました。
このタイミングで自社ホームページを作成し、オープンから1年経つ頃にようやくメニュー表が完成しました。
しかし、完成したばかりのホームページはアクセスが集まるようになるまで多少時間がかかります。
初めてスタッフを雇用した時期でしたが、この期間はホームページでの新メニュー料金とホットペッパーのクーポンを同じもので統一させて集客しました。
ホットペッパーのクーポンを「割引集客」ではなく、「新メニューのテスト」として使用した形となります。
自社サイトとリスティングでの集客(3年目)
徐々にホームページが機能し始めると、新規の客単価17000円でリピート率80%になり、客単価やリピート率の高い新規のお客様を集客する事ができるようになりました。
1人目のスタッフの売上が70万を超え、2人目のスタッフが加入したタイミングでホットペッパーのプランを下げて自社ホームページ集客とリスティング広告のテストへ移行しました。
リピート率が80%を超えると短期間で顧客が増えていきますので、客数よりも優良顧客の獲得がメインになります。
理想のお客様に近い新規客を呼ぶ事が出来るようになり、リピート率、客単価共に高い客層が集まるようになりました。
短い期間で軌道に乗せ、客単価を上げながら集客の方法をシフト
価格変更をするにあたって重要なのは、既存のお客様の状況です。
つまり
① お客様が溢れている状態
② まだまだ客数が必要な状態
この2つの状況によって取るべき対策が変わるという事です。
既にお客様で溢れている状態であれば、単価の高いメニューの導入や値上げをする事で、客数を減らして優良顧客に絞っていく事も可能です。
私の場合はオープンして間もない状態でしたので、客数を伸ばしていきたい状況でした。
2年半の間に価格変更を5回行っていますが、ただ価格を上げただけでなく、それと同時に集客方法も変えています。
具体的には、価格変更による失客数以上に優良顧客獲得を目的とした集客を意識しました。
お客様の数ではなく単価やリピート率も含めた、求める客層へのアプローチをしたという事になります。
価格変更する前から現在まで変わらない要素
このように、価格やメニュー内容や集客方法は短期間で変えていますが、オープン時から変えていないものが2つあります。
それは、
・価格以外の価値を伝える事
・広告費の金額
この2つです。
価格以外の価値とは、「常にキレイな髪を維持する」というメインコンセプトです。
このコンセプトを伝え続ける事で、価格が上がったとしてもメニューやサービスが良くなる事で逆に喜んでくださるお客様が増えていきます。
つまり、価格に左右されないお客様ですね。
常にファン層に喜んで頂けるような対策をしながら価格やサービス内容を変えたという事になります。
広告費に関しても、使い道(媒体)は違うものの、トータルの金額はオープン時からほぼ変わりません。
お客様が増えてくるにつれて広告費を削減していくのが通常の考え方ですが、常に新しいファン層を開拓する必要があると考え、出た利益を広告費に投資するようにしています。
広告費をかけている美容室は比較的規模の大きな美容室が多く、小規模の個人店では広告費を削減する傾向があります。
広告費をかけて露出を多くする事で、大型店ばかりが並んでいるインターネット上において個人店を探している見込み客の目に目に留まりやすくなります。
つまり、個人店や髪の悩みを抱えた見込み客がインターネットで検索した時に、似たコンセプトや規模のライバルよりも露出が多ければ見つけてもらえる可能性が高くなるという事です。
エリアの美容室が全て競合ではなく、サロンの見込み客から見える状況を客観視すると競合の数はグッと減り、その中で最も目立つ行動を取れば良いという事になります。
客単価アップのための心構え
このように、私の場合はオープンから間もない期間で客単価を上げながら同時に客数を増やすという事をしてきました。
私自身の経験から、メニュー改善や単価アップをする際にとても大事なことは自分自身の「価値観を壊す」事です。
どんなに単価を上げたいと思ってメニュー改善に取り組んでも、必ずそれまでのメニュー内容や客単価に引っ張られたものになります。
例えば、単価5000円の仕事に慣れていると、単価10000円のメニューを作る時に必ず「高い」と思ってしまいます。
さらに、失客の可能性の可能性を考えると、さらに客単価を上げる事に踏み切れなくなってしまいます。
しかし、客単価アップは「ただ単に値段を上げる」ということではなく、リピート構造の見直し、集客導線の構築を連動させて行っていくものです。
実際に「値段を上げる」という事だけを考えるとなかなか行動できなかったり、行動してみても、結果的に求める客単価まで上げられないという事もあります。
そんな時は、まず最初に価値観を壊す環境にあえて身を置く事がオススメですよ。
2つの経営改善図解PDF(スライド62枚)を無料プレゼント!
- 客単価が10000円にとどかず、新規リピート率も50%以下
- 雇用したスタッフに週休2日あげられない
- つい、目先の売上を追って営業時間外の予約も受けてしまう
- 家族との時間を犠牲にしている
- 現在1人営業でこれからスタッフを雇用したい
- オーナーを含めて2~3人規模で1人当たりの生産性が60万にとどかない
という方は、無料メルマガにご登録ください。
「リアルな経営ノウハウが参考になる」と評判のメルマガです。
LINE@経由でメルマガに登録いただくと・・・
①客単価8000円→15000円の流れを解説したセミナー
②次回予約7%→80%の施策を解説したセミナー
2つのセミナー資料+おまけのワークシートをプレゼントいたします。
36歳で神奈川県から長野県松本市へ移住し美容室を開業
客単価7000円アップ、スタッフを雇用しながら7%だった次回予約を80%超えに改善。
ポータルサイトや自社サイトの集客、幹細胞培養液メニューに取り組みながら地方で強い1店舗を築く。
開業2年でコンサル活動を開始。メルマガ配信は通算400通、セミナー活動、メニュー作りサポート、個別サポートを合わせ、20サロンのサポートを行う。
-
前の記事
美容室の『新規集客』とは別角度の集客対策とは? 2022.10.11
-
次の記事
なぜ、美容室を開業する時の価格設定はカット4000円なのか? 2022.12.16