ベーシックは基本ではない?!
スタイリストにとっての基本とは、何でしょうか。
ワンレングス?グラデーション?レイヤー?
ハサミの開閉?コームの使い方?
色んな意見があると思いますが、私が思う「基本」とは
「髪の毛の特徴を理解する事」
に尽きます。
残念な事に、これについては美容師さんよりも、お客様の方が理解している事が多いです。
10人いれば10通りの髪の特徴があります。
しかし、美容師さんはどのお客様でも同じ切り方をします。
髪をウェットし
ワンレングス、グラデーション、レイヤーでアウトラインを作り
ドライヤーで乾かし
カッコ良くドライカットをし
鏡を見せて
『どうですか?』
と言う。
お客様は、『大丈夫です・・・』としか言えないんですね。
場合によっては、来店した時の方がキレイにスタイリングされてる場合もあります。
きっとお客様は
『早くトイレに行って直したい』
『自分でやった方がキレイになるのに』
『美容院来ると、なぜかこうなっちゃうのよね』
『今はいいんだけど、家に帰って自分でやると全く違う髪型になるのよね』
などと内心では思っているかもしれません。
いつも笑顔で満足してもらっていると思っていたお客様も、実はいつも同じような事を思っていて、あるきっかけでお店を変えてしまう。
そんな事に美容師さんは気付かない事が多いはずです。
しかし、これら全てたった1つの考え方を身につけることによって解消され、リピート率も格段に上がります。
いくらウィッグを切って練習しても身につきません。
その考え方は、『毛髪科学』
毛髪科学と言うと、キューティクル、コルテックスなどといったありきたりの従来のものではなく
アミノ酸の分子構造などの難しい事でもなく
『一人一人の髪の性質、一人一人のライフスタイル、お手入れの仕方に沿った毛髪科学』です。
これを理解すると、お客様からは
『わかってくれている』
という信頼につながり、イケメン美容師が甘い言葉をささやくよりも100倍の効果を発揮します。
もちろん、イケメンでなくても大丈夫です笑
今日接客したお客様が10人いれば、毛髪科学は10パターン。
切り方も10パターン。仕上げも10パターン。スタイリングアドバイスも10パターン。
たとえ10人全員が同じスタイルを希望したとしてもです。
そのポイントはお客様が来店した時と、カウンセリングの最初の3分で決まります。
従来のベーシックにとらわれているとなかなか気付かない事が多いかもしれません。
でも、売れっ子美容師さんからすると、当たり前のようにわかっている事なんですね。