美容室開業物語〜私が美容師になった頃〜


 

よく、美容室は飽和状態と言われます。それもここ最近ではなく、私が美容師になって数年経った頃から言われ続けているので、少なくとも15年はそういった状態が続いていることになります。

私自身、美容師ブームに乗っかって美容師を目指したミーハー派ですので、専門学校に入るまで美容室に行ったこともありません。

高校生の頃、田舎の本屋にも美容師特集の雑誌が何冊も並んでいました。

当時の私は、オシャレなどとは無縁で近所の床屋さんで切った髪を伸ばしっぱなしでセンター分けにしているような高校生でした。

そんなダサい田舎の高校生だった私は、そういった雑誌を見たり、テレビ番組を目にするうちに、この業界に興味を持ちました。

ダサいながらも変身願望はあって、この業界に入れば変わる事が出来るだろうと思い親の反対を押し切って都内の専門学校へ進み、その後晴れてこの業界の一員になったのです。

 

業界に入ってからスタイリストデビューまで

 

最初に勤めた会社は若い世代が多く、練習カリキュラムをこなせばデビューできるというスタンスでした。

とにかく早く技術を身に付けたい一心から、早朝、営業後は練習に没頭し、次々とカリキュラムをクリアし、休日はメーカー主催のセミナーやカットスクールに全てつぎ込みました。

給料がどうこう休みがどうこうは全く気にならず、今思えば一般の会社からするとブラック社員ですね。

それでも、その当時はそれが普通で、むしろ楽しくてしょうがない感覚でした。

なんとなくの憧れで入った業界でしたが、いつの間にか時間も体力も全て注ぎ、没頭できるものになっていました。

今振り返っても、その当時の1年という期間が2、3年だったように感じられるくらい内容が濃く、時間の感覚が狂ったような感じです。

 

今の30半ばくらいの世代の美容師さんは、似たような経験をされているかもしれません。

そして、若い世代の美容師さんは、この世代の先輩やオーナーさんに武勇伝のような話として何度も何度も聞かされている事でしょう笑

でも、それだけキツくてもキツく感じないくらいとても充実した時間を過ごしたという事です。

そういう体験をした世代は限られていると思います。

美容師ブームだった時代背景、業界背景が大きいと思いますので、その世代にしかわからない事かもしれません。

気付かないうちに、自分の中での当たり前の基準になってしまっていますが、その基準を強要しないように気をつけないといけませんね。

 

念願のスタイリストデビュー

 

少し脱線しましたが、晴れてスタイリストデビューした私は、さらに充実した毎日を送ります。

普段勉強している事を存分に発揮し、担当したお客様が再来の時に指名をして下さった時が何とも言えないくらい嬉しい瞬間でした。

美容師向けの業界誌を読みあさり、相変わらずセミナーにも通いつめ、数万円もする教材も購入し、次から次へと必要だと思ったものには手を伸ばしていきました。

しかし今思うと、この当時はとにかく技術を身につけようと必死でしたが、自分ができるようになりたいというどこか独りよがりのような感じでした。

それが結果として悪い方向に出てしまう事件が起きます。

 

2度にわたる大きなクレーム

 

一人は40代くらいの女性、もう一人は20代後半くらいの男性。

どちらも大変お怒りで、会社側から謝罪、返金にまで至る結果に。

単純に、調子に乗っていたんですね。

まだ1年そこそこで技術が未熟にもかかわらず勉強しているという事だけで自信を持っていて、お客様の気持ちなど全く考えていませんでした。

その証拠に、クレームの電話があったと聞いた時に『何で?』と思いましたからね。

ありえません。今から思うと、お客様にも会社にも本当に申し訳なかったと思います。

その事件があってから、それまであった自信が一気に崩れ落ちました。

自信を持ってお客様に接する事が出来なくなり、結果リピート率も下がり、お店の電話が鳴るだけで恐怖に感じるようになりました。

『このままではダメだ。』と思う反面、『もうダメかも。』という弱気な気持ちに負けた私は、それまでお世話になった会社を辞めるという選択をしました。

 

美容室開業物語〜本当の意味での下積み時代〜 へ続く

 

 

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