刈り上げスタイルが敬遠されがちな理由としては、カット練習の際のウィッグトレーニングでの技術習得が難しい事が挙げられます。
カット練習は、ワンレングスから始まり、グラデーションボブ、サイドグラ・・・といった具合に進んでいくのが一般的でしょうか。
カット練習の問題点
カット練習中の美容師さんは、まずウィッグを使って基本と呼ばれるスタイルの練習をします。
基本を身につけるのが目的ですが、この段階で道を誤ってしまう事が多いように感じます。
というのも、練習熱心な若い美容師さんは数々のテストを合格するために頑張って練習するわけです。
私も経験がありますが、朝早く出勤して営業前に練習。夜は終電まで練習。
熱中していると時間を忘れてひたすら打ち込むことができ、その時間は全く苦にならず
やればやるほど理解が進み、やりがいも感じ、毎日楽しく練習に打ち込む。
とても素晴らしい事ですが、ここで問題が。
毎日一生懸命練習しているその目的は?
もちろん、技術を身に付けるためだと思いますが
ウィッグのテストに受かるための練習内容になっていませんか?
これに関しては、練習している若手が悪いわけではなく、教育システムの見直しが必要だと思うのです。
ベーシックスタイルは基本ではない
特に刈り上げのスタイルや、ボブより短いスタイルに言える事ですが
ベーシックスタイルとして切るスタイルが基本だと思っている美容師さんがとても多いように感じます。
一生懸命ベーシックスタイルに当てはめようとしたところで、当然ですが人の頭はそうなるはずがありません。
刈り上げスタイルを切る機会があまり多くなかったりすると、特にその傾向が強いと感じます。
比較的多い傾向としては、ウィッグカットのカリキュラム終了後、モデルをある程度の人数こなし、デビューしてから数年経った頃に
ようやく素材の見極めと、それに自分の技術をどう当てはめていくかという事ができるようになっていくのが一般的。
もちろん、それも踏まえてしっかりと技術指導されているサロンさんも多いと思いますが、全体の割合からすると比較的少数派ではないかと思います。
私は、技術指導の良し悪しで離職率も変わってくるとさえ思っていますので
既に若い美容師さんがどんどん減リ続けていく中で、労務関係の充実も大切ですが
実用性の高い技術をもっと早い段階で身につけられるような教育方法をひねり出すことが必要ではないでしょうか。
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