ここ十数年で縮毛矯正の薬剤も技術も飛躍的に進化し、それに伴い毛髪化学や薬剤に対しての意識も高くなっているのを感じます。
メーカーさんも美容師さんも共に言えることですが、特に熱心な美容師さんのブログなどを見ても、とても参考になるものばかりです。
ダメージに対しての意識も高く、弱酸性ストレートや、GMTなどの還元剤の活用でダメージレスを謳った縮毛矯正も多くあります。
髪を傷めない縮毛矯正は存在するか
結論から言うと、髪を傷めない縮毛矯正はありません。
いきなり夢を奪うようですが、理論上は『髪の性質を変える』事により縮毛矯正の施術は成り立ちますので
薬剤を塗布してバージン毛を変化させ、さらにアイロンなどで熱処理をしている時点で髪にとっては負担になっていると言えます。
くせ毛でボワボワしてしまう毛髪が縮毛矯正でツルツルサラサラになると、見た目は綺麗になっていますが、実際には毛髪に負担がかかっています。
かけた直後はツルツルしていても、時間が経つと感触が悪くなってくるのはこのためです。
ダメージの原因は何か
美容業界において最も有名なダメージの要素はアルカリです。
アルカリと熱の組み合わせが最も毛髪に負担をかける事はご周知の通り。
では、弱酸性ならダメージが少ないかと言えばそうとも言い切れません。
確かに弱酸性なら、アルカリによる負担はゼロです。
しかし、縮毛矯正において外せない化学反応があります。
還元反応がそれです。
ダメージと言えば、アルカリが真っ先に浮かんでくるのは当然の事ですが
還元反応も過度にしすぎると断毛につながるような強力な化学反応です。
これは、アルカリでも弱酸性でも関係なく起こります。
酸性領域で還元作用が働く還元剤ならアルカリによるダメージが無いとはいえ
扱いを誤るととても危険。
いくら弱酸性領域の還元作用でも、髪にとっては負担になってしまうのです。
縮毛矯正とダメージに対する美容師の意識
とは言っても、縮毛矯正はくせ毛による悩みを持つ方にとってはとても強い味方。
ダメージ要素とは上手く付き合っていくしかありません。
それには、美容師さんが上手にコントロールしていく必要があります。
かけた直後がきれいなのは当たり前。
問題は、かけた場所が数ヶ月経って毛先にきた時にどういう状態になっているか。
その状態も考慮して長いスパンで責任をもって見させて頂く姿勢が大事ではないでしょうか。
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