ご周知の通り、縮毛矯正の履歴のある髪はウェーブパーマがかかりにくい状態になります。
しかし、そんな事はお構いなしにパーマをかけたくなってしまうんです。
ずっとストレートの状態に飽きてしまって、毛先をクルンってしたくなってしまうんですねよね。
机上の理論では
理論上では、『かからない事は無い』と言っておきましょう。
縮毛矯正後の髪はランチオニン結合を代表としたタンパク変成を起こしています。
このタンパク変成がどの程度の割合で起こっているか
つまり、毛髪の元の性質をどれくらい残しているかが、ウェーブ形成が可能であるかの一つの判断材料になります。
それを見極めるには髪質、くせ毛がどんな特徴のものか、毛髪の状態、カラーやパーマ履歴、どんな種類の縮毛矯正をかけているか、かけてない部分とかけた部分の差がどの程度か
などなど、様々な要素から総合的に検証し、パーマ液とロッドを使って部分的に還元テストをします。
「デジタルパーマなら矯正毛でもかかる」のカラクリ
矯正毛のパーマにおいて、コールドパーマとホットパーマでは違いがあります。
『デジタルパーマなら矯正していてもかかる』というわけではなく
あくまで質感の違い。
ホットパーマの場合はその工程の中で酸化処理時に水素結合が安定した状態(乾いた状態)ですので
ホットパーマをかけた毛髪は、乾かす過程において水素結合がジスルフィドの変形の通りに再結合します。
これが濡れている状態では伸びていても乾くとウェーブが出てくる事から、形状記憶などと言われている所以です。
逆にコールドパーマの場合はジスルフィドが再結合する時(酸化処理時)に水素結合は不安定な状態ですので
コールドパーマをかけた毛髪は、乾かす過程において水素結合がパーマをかける前の状態に戻ろうとします。
コールドパーマが、乾かすとウェーブがダレるのはこのためです。
以上の事から、矯正毛にパーマをかける際はホットパーマの方が仕上がりにウェーブが出る可能性が高いと言えます。
しかし、還元によるチオール形成の余地が無ければどちらもかかりません。
矯正毛にもパーマがかかるかどうかは、髪質と状態に大きく左右されます。
「矯正毛のうちパーマがかかる余地のある毛髪には、ホットパーマの方が質感が出やすい」といったところでしょうか。
最も大切な要素
矯正毛にパーマをかける上で最も大切な要素は
お客様とパーマのイメージが共有できているか
に尽きると思います。
「パーマがかかる」の定義は美容師さんによっても違うくらいですので
お客様が抱いているイメージは全く想像だにしないものである事もしばしば。
どの程度のウェーブが出るのか、また、そのリスクはどんなものかなど
お客様としっかりコミュニケーションが取れている事が大前提となります。
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