縮毛矯正をした髪にはパーマがかかりにくい、キレイにかからない
この原因の一つにランチオニン結合があります。
タンパク変成がもたらすもの
縮毛矯正をかけた毛髪は、ある一定の割合でタンパク変成を起こします。
毛髪の主成分であるタンパク質は熱によって性質が変わりますが
その性質を利用してくせ毛をストレートにするわけです。
例えば、通常のジスルフィド結合
ーSーSー
これを還元すると
ーSH HSー
となります。
その段階で熱を加えると
ーSー
という結合が出現します。
これがランチオニン結合。
一度こうなってしまったものは、通常の還元反応によるチオール形成が起こらなくなります。
つまり、ジスルフィド(S−S)結合では無くなってしまいますので、酸化還元反応で形を変える事ができなくなってしまいます。
髪質による違い
ランチオニン結合は、従来の酸化還元反応の概念が無くなってしまうので、パーマ液によって形を変える事ができません。
しかし、全ての結合がランチオニンになってしまうのではなく
あくまで「ある一定の割合で」起こる変化ですので
元のジスルフィドの性質を残している部分もあります。
元の性質が残っている場合はパーマ液によって形を変えることができます。
毛髪における熱変性の割合は、髪質によって様々ですが
縮毛矯正をかけた部分とかけていない部分の状態の差が大きい程、変成している割合が高い傾向があるように思います。
変成している割合が高い程、パーマはかかりにくくなります。
デジタルパーマならかかる?
結論から言うと
パーマがかからない毛髪は、デジタルパーマでもかかりません。
デジタルパーマは矯正毛にもかかると言ってしまうのはとても危険です。
逆に、矯正毛でデジタルパーマがかかる場合は、通常のコールドパーマもかかります。
通常のパーマはかからないけど、デジタルパーマならかかるという事はほぼ無いと言って良いと思います。
理由は、還元剤が反応しない毛髪はパーマがかからないからです。
縮毛矯正をかけても還元剤が反応する髪にはかかります。
還元剤が反応しない髪にはかかりません。
(どの程度のウェーブ形成、質感で「かかっている」とするのかは、また別の話ですが)
パーマの種類ややり方ではなく、まずこの見極めがとても重要だといえます。
コメント
[…] 縮毛矯正後の髪はランチオニン結合を代表としたタンパク変成を起こしています。 […]