縮毛矯正の仕組みについては様々な考え方がありますが
還元する
アルカリを使う
熱処理をする
酸化処理をする
この4つはどの考え方にも共通していると言って良いと思います。
毛髪はどの様な状態になっているか
毛髪の結合を切って(緩めて)再結合させるというのが基本の考え方。
①ジスルフィド結合=還元によって切断、再結合
②イオン結合=アルカリと酸によって変化
③水素結合=水によって変化
この中で、最も厄介なのが水素結合。
縮毛矯正において施術後にくせが戻ったり、キレイに伸びていなかったりする原因についてはほとんどの場合が③の水素結合だと思われます。
水素結合を『ダマす』
私は、水素結合を『ダマす』という表現をよく使います。
そもそも縮毛矯正とは、数種類の毛髪の結合に対して複合的にアプローチしていくものです。
アルカリ軟化と還元させた状態でキレイにブロー、熱処理していくという複数の要素から成り立っていますが
水素結合に関しては、還元剤でもなく、アルカリでもなく
水によって状態が変化します。
つまり
まずアルカリ軟化させ
ジスルフィドを切った状態で
キレイにブロー(ドライ)する事で水素結合を戻し
その状態で高熱処理をしてタンパク変成させ
酸化処理でジスルフィドを再結合
(一部ランチオニン結合が結成される)
この一連の流れの中で、水素結合だけは薬剤による科学的なアプローチをしていませんので元の性質が残る可能性が高いと考えます。
緩んだ水素結合を元に戻す時に
他の要素(ジスルフィド結合やタンパク変成)の力を借りて水素結合が変化できない様にしている
この度合いが、縮毛矯正の仕上がりに大きく関わると思われます。
もちろん、タンパク変成によって水素結合の性質が変わる事も考えられますが
どちらにしても水素結合をコントロールする事は難しく、逆に上手にコントロールできると仕上がりがキレイになります。
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