熱処理が終わったら最後の2剤処理です。
この行程は比較的問題無いと思いますので、サラッと触れておきます。
酸化処理の目的
2剤処理は酸化処理です。
酸化とは『酸素化合反応』の略ですので、ここでは1剤の還元により切断されたジスルフィド結合を再結合させる目的です。
念のためですが、髪を酸性に戻す事ではありません。
なぜ過水を使うのか
縮毛矯正の1剤と2剤の仕組みはパーマ理論と全く同じですので、2剤の種類も同じです。
基本的には過酸化水素水の希釈液(過水)が用いられます。
他には臭素酸ナトリウム溶液(ブロム)がありますね。
パーマと同じならブロムでも良いはずですが、なぜ縮毛矯正の2剤は過水が使われるのでしょうか。
その理由は、過水がアルカリ活性だからです。
つまり、アルカリ性の状態で酸化反応が活発になります。
逆にブロム酸は酸性活性ですので、ブロムで2剤処理をする前にはバッファー処理で酸性の状態にしておくことが必要です。
縮毛矯正における2剤処理としては、1剤がほとんどの場合アルカリ性ですので、1液を流す時にバッファー処理を行わない限り
熱処理を終えた時点でも毛髪はアルカリ性の状態です。
そこで、アルカリ性の状態で強い酸化力を発揮する過水が用いられます。
過水がアルカリ活性である性質は、アルカリカラー剤の原理でも使われていますね。
過酸化水素水による酸化反応はとても強力なものですので、5分程でジスルフィド結合が再結合します。
こうした原理を見ていくと、強力な化学反応によって切断、再結合する毛髪のジスルフィド結合がいかに強力なものかが改めて理解できますね。
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