縮毛矯正の工程で1液を流した後に行うのがブロー、アイロンの熱処理。
ごく一般的な説明をすると、熱変性を起こす事によってくせ毛をストレートに記憶させる工程ですが
この工程にはもう一つ大事な要素があります。
もしかすると、熱変性よりも重要な要素かもしれません。
ドライ処理の重要性
私は熱処理とドライ処理は別のものとして考えています。
熱処理とはタンパク変性を起こして髪の毛の性質を変える処理。
ドライ処理とは通常のブロー理論と同じく、くせ毛をキレイなストレートに乾かす処理です。
ドライ処理(ブロー)は、髪の毛の『水素結合』の部分に働きかけています。
湿気の多さに影響される、くせ毛の厄介な特徴も同じく『水素結合』。
水素結合の割合の多いくせ毛に対しては、1液を流したドライ処理の仕方がとても重要です。
いくらアルカリ軟化や還元をさせていても、一液を流した後に自然乾燥させた場合
水素結合が再結合するのと同時にくせが出てきます。
水素結合の割合が低いくせ毛の場合は、自然乾燥してもあまりくせは出てこないはずです。
そのままアイロンせずに2液で酸化処理をしてもある程度キレイにストレートになる髪質もあります。
このように、本来はこの1液を流し終わった時点で水素結合の割合の多いくせ毛の場合とそうでない髪質で対応を変えるべきなのですが
同じような工程で施術してしまうと、失敗につながる事がありますので注意が必要です。
1液の流しのコツ
順番が前後しますが、1液の流しでも注意点があります。
アルカリ剤や還元剤は残してはいけませんが、トリートメント成分の『重さ』は残した方が良いと思います。
この後のブロー処理で仕上がりのキレイさがある程度決まりますので、『重さ』が無い状態ではキレイにクセが伸びる前に乾いてしまいます。
乾くのが早い状態というのは、水素結合が早く戻ってしまう状態ですので
水素結合によるクセが強い場合、キレイに伸ばすことができません。
この判断は髪質によって様々です。
普段使っているトリートメントの影響なども受けますので、目安としては
キレイにブローがしやすい状態
がベストでしょう。
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